FTDI社のUSB3.0ブリッジIC FT600/FT601の送受信を仮想COMポートから行えるアプリ FT6-VCP をご紹介します。
PC側のプログラム不要でデータの入出力が可能です。FPGAなど通信相手の動作確認、デバッグ用にのみご活用ください。
FT600評価ボード USB-106
FT601評価ボード USB-107
更新履歴
2022/06/10 : V14 ディスプレイ設定変更による画面表示の不具合を修正
2019/02/08 : V13 短い間隔(300ms以下)でデータを受信した時に受信できない不具合を修正
2018/12/10 : V12 FT_WritePipeの戻り値が更新されない不具合を修正
2018/07/05 : V11 公開
ダウンロード
File | Version | Date |
---|---|---|
V14 | 2022/06/10 |
下記のOSでの動作を確認しています
- Windows10 (64bit)
概要
FT6-VCPは仮想COMポートとFT600/FT601間のデータを中継します。あたかもFT600をCOMポートで開いたかのような環境を構築します。
FT600/FT601は下記の動作モードに設定されます。
プロトコル | マルチチャンネルFIFO |
チャンネル数 | 1 |
OUT Pipe (endpoint) | 0x02 |
IN Pipe (endpoint) | 0x82 |
FIFO Clock | 100MHz |
仮想COMポートは下記の設定でアクセスしてください。
ボーレート | 自由 |
データ長 | 8 |
Stop bit | 1 |
Parity | なし |
フロー制御 | なし |
使い方
使用するCOMポート番号を選択しOpenしてください。
仮想COMポートとFT600のポートのOpenが、ともに成功した場合に仮想COMポートが作成されます。
仮想COMポートはCloseもしくはアプリケーションの終了時に自動的に削除されます。
FT600のポートOpenは単一のシリアルナンバー(デフォルトの"00000001")で行っていますので、PCに接続されるFT600/FT601は1つとしてください。
例)COM4を選択し、OpenするとデバイスマネージャーにCOM4 (FriendlyName = "HuMANDATA Virtual COM Port") が作成されます。
FT6-VCPのタイトルバーに仮想COMポート名 [COM4] が表示されます。
ターミナルソフト(TeraTermなど)でCOM4を開き、データの送受信を行うことができます。
受信
具体的な使用例をお示しします。テスト用ボードとして EDA-009 と USB-106(FT600)を使用しています。
受信待ち状態であるFT600に対し、通信相手(FPGA)から13Wordのデータを送信します。
データ "ABCDEFGH...XYZ"を送信した際のSignalTap波形
<クリックして拡大>
↓ FT6-VCPがFT600からの受信を処理し、仮想COMポートにデータを渡します。
↓ TeraTermでデータが表示されました
送信(1Byte)
仮想COMポートから1Byteのデータを送信し、FPGAで取り込みます。
↓ "1"のキーを押したのでFT6-VCPは仮想COMに入力されたデータ"1"をFT600に書き込んでいます。
↓ FPGAはFT600が「送信FIFOにデータ在り」となったことを検出し取り出しています。1Byteの送信なので上位Byteのデータは不定値です。
送信(複数Byte)
仮想COMポートから複数バイトのデータを送信し、FPGAで取り込みます。
↓ 10Byteのデータ "0123456789" を入力したファイルを送信します。
↓ FPGAはFT600が「送信FIFOにデータ在り」となったことを検出し取り出しています。5Wordのデータが取り込まれています。
オプション機能
いくつかの機能を個別に実行できます。
タイトル | 説明 |
---|---|
[VCP] Create Port |
指定したCOMポート番号の仮想COMポート作成のみ行います FT600/FT601のポートOpenは行いません |
[VCP] Delete All HuMANDATA VCP |
何らかの原因で仮想COMポートが消えなかった場合に実行してください Friendly Name が "HuMANDATA Virtual COM Port"となっている仮想COMポートのみを削除します |
[FT600] Show Device List |
認識しているFT600/FT601を列挙します *FT6-VCPを使用する際は1つのみ認識された状態としてください |
[FT600] Port Open |
FT600/FT601のポートをOpenします |
[FT600] Get ChipConfiguration |
FT600/FT601の動作設定を読み出します |
[FT600] Set ChipConfiguration |
FT600/FT601の動作設定を「概要」に示した内容に設定します 設定後ICの再起動のためポートを閉じます |
[FT600] Set Default ChipConfiguration |
FT600/FT601の動作設定を出荷時状態に戻します 設定後ICの再起動のためポートを閉じます |
[FT600] Write |
Sizeで指定されたByte数のデータを出力します 仮想COMポートへのアクセスはありません |
下記もご参照ください
- FT600関連製品特設ページ : https://www.hdl.co.jp/FT600/index.html
-
FT600の基本操作例(APIによる送受信) - Multi-Channel FIFO : https://www3.hdl.co.jp/spc/acm/516-q20180425.html
お問い合わせについて
ご質問、間違いなどありましたらごご連絡・ご指摘ください。
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[kw] TEC-FPGA 2018-04-24 FT600 FT601 EDA-009 EDX-009 USB-106 USB-107
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